2023/03/24
理科のポイントシリーズ、中1の物質分野(化学)「身近な物質」です。
この分野は中1では一番計算問題の割合が大きい。
つまり皆嫌い。
誰も計算なんかしたくないですからね。
私も、別に計算が好きで数学をやっている訳ではないですし。
ただ覚えて答える、クイズみたいな方が楽に決まってます。
まあ、だからこそできるようになれば差を付けられる分野なわけですね。
一応気休めとして、算数でしかない、ということはできます。
ただ、ご存じの通りで、算数は本当の本当に積み重ねなんですよ。
小学校で習う全ての算数についてきちんとわかってないと、そもそも説明を聞いてもよくわからない。
とりあえずどんな計算が出てくるか、確認しますと
1. 密度
物質の体積1cm3当たりの質量を密度といいます。単位はg/cm3
体積が 20cm3、質量は 30g の物質があったとしたら、その密度は 30÷20=1.5g/cm3 となります。
普通いちいち断りませんが、体積・質量をはかりたいモノは、全体が同じ、均質な物質でできていること、そして常温・常圧のもとではかって、という条件は必要。
この前提のもとでは、密度は物質ごとに一定の値になりますので、密度 1.5g/cm3 なら砂糖かなぁ、とか物質の種類の見当を付けるのに役立ちます。
2. 質量パーセント濃度
何かの液体に別の物質を溶かして、透明(色は付いてもいい)で下にたまったりしない状態になったら、それを溶液といいます。
溶かす液体が水であれば水溶液。食塩や砂糖は水に溶けて、それぞれ食塩水、砂糖水になります。
溶液でない例としては、牛乳。透明ではないですよね。でも放っておいても下にたまったりはしない。
こういうのはコロイドといいます。
それと、水溶き片栗粉。これは混ぜてもしばらくしたら下にたまりますよね。片栗粉は水には溶けない、と判断します。
さて、それでその溶液の濃度、いわゆる濃さを、”溶液全体の質量”に対する”溶けている物質の質量”の割合 を使って表します。
この割合は普通百分率(パーセント)で表現するので、質量パーセント濃度と呼ぶわけです。
さて、この二つの計算。
算数の言葉でいうと、密度は「単位当たりの量」、質量パーセント濃度は「割合」です。
どちらも小学校5年生で習うのですが、中1の時点で十分に理解している生徒はほぼいません。
理由は一言で言えば難しいからです。問題に応じて割ったり掛けたり、文章をきちんと解読した上でどう計算するか決めないといけないですから、ハードルは高い。
ただ、どちらも人類の思考上、非常に重要な考え方ですよね。
会社でも商店でも、会議と呼べるような話し合いがあれば「一人当たり」とか「~%」とか、普通に使われるはずです。
大人としては分かっていた方がいいわけで、それをこの単元を通して、中学校卒業までに身に付けてもらおう、という親心でしょうか。
まあ、この「単位当たりの量」、「割合」そのものの解説は別の機会に回すことにしましょう。
現実問題としてこの二つの計算問題が不得意な場合、どのような対処法があるでしょうか?
まず思いつくのは、いわゆる「はじきダイアグラム」―――――円を上下に2等分、下半分をさらに縦に2等分して、左下に「は」、右下に「じ」、上には「き」と入れる、速さの計算で使えるやつ―――― を流用して、密度なら「みたし」(み=密度、た=体積、し=質量)、濃度なら「のえし」(の=質量パーセント濃度、え=溶液の質量、し=溶質の質量)と覚えこむこと。
これは単純な計算問題であれば十分役に立ちます。
ただ、少し複雑な、例えば2種類の食塩水を混ぜるとか、そういう問題には立ち向かえないかもしれません。
次の策としては、よくある問題のパターン全てをひたすら繰り返して解き方を丸暗記する、というやり方。
多くの学習塾でとっている戦略がこれです。
どうしても理解できないけど、なんとか点を取らないといけない、という生徒にはこうするほかないでしょう。
ただ、問題のパターンといっても結構あるし、問題の本質を理解できないまま手順を暗記する、というのは非常に苦しいことではあります。
それに、この後の理科で、密度も濃度も、似た量が沢山出てきます。
単位当たりの量、割合を十分に理解できている場合、それぞれ特別に新しいことは何もない、といっていい。
でもこの手の丸暗記で乗り越えている場合、圧力や湿度に出会ったときにも、また新しい計算か・・・という気分で暗記と繰り返し練習に臨むことになります。
以上の二つの方法が、学力の向上という目的に対して本質的でないことは明らかではあります。
もし食塩水を混ぜるような問題でもきちんと解きたいなら、やはりそもそもの濃度の定義を理解するところから頑張りましょう。
その上で
・混ぜたあと、全体が何gになるのか
これは混ぜる二つの食塩水の質量を足すだけでいいです。
・食塩は何g溶けているのか
こういったことを考えて、あとは割合です。
残念ながら、このあとは割合、の段階でいやな気分になっちゃいますね。
結果として、濃度はわからん、となって問題に取り組むこと自体を放棄する。
これがほぼ8割の中1にあてはまります。
実際のところ、中3でも濃度の問題の正答率は10%以下だったりしますから、8割というのも少ないのかもしれません。
とにかく、割合を本当の意味で理解する以外、本当の意味で濃度を理解したとは言えません。
密度についても同じく、単位当たりの量を正しく理解していない限り、できるようにはならない。
結果として、算数です。小学5・6年生の文章問題、これがきちんとできること。
それが中学の理科、特に計算問題を楽にクリアするための最良の方法です。
この分野は中1では一番計算問題の割合が大きい。
つまり皆嫌い。
誰も計算なんかしたくないですからね。
私も、別に計算が好きで数学をやっている訳ではないですし。
ただ覚えて答える、クイズみたいな方が楽に決まってます。
まあ、だからこそできるようになれば差を付けられる分野なわけですね。
一応気休めとして、算数でしかない、ということはできます。
ただ、ご存じの通りで、算数は本当の本当に積み重ねなんですよ。
小学校で習う全ての算数についてきちんとわかってないと、そもそも説明を聞いてもよくわからない。
とりあえずどんな計算が出てくるか、確認しますと
1. 密度
物質の体積1cm3当たりの質量を密度といいます。単位はg/cm3
体積が 20cm3、質量は 30g の物質があったとしたら、その密度は 30÷20=1.5g/cm3 となります。
普通いちいち断りませんが、体積・質量をはかりたいモノは、全体が同じ、均質な物質でできていること、そして常温・常圧のもとではかって、という条件は必要。
この前提のもとでは、密度は物質ごとに一定の値になりますので、密度 1.5g/cm3 なら砂糖かなぁ、とか物質の種類の見当を付けるのに役立ちます。
2. 質量パーセント濃度
何かの液体に別の物質を溶かして、透明(色は付いてもいい)で下にたまったりしない状態になったら、それを溶液といいます。
溶かす液体が水であれば水溶液。食塩や砂糖は水に溶けて、それぞれ食塩水、砂糖水になります。
溶液でない例としては、牛乳。透明ではないですよね。でも放っておいても下にたまったりはしない。
こういうのはコロイドといいます。
それと、水溶き片栗粉。これは混ぜてもしばらくしたら下にたまりますよね。片栗粉は水には溶けない、と判断します。
さて、それでその溶液の濃度、いわゆる濃さを、”溶液全体の質量”に対する”溶けている物質の質量”の割合 を使って表します。
この割合は普通百分率(パーセント)で表現するので、質量パーセント濃度と呼ぶわけです。
さて、この二つの計算。
算数の言葉でいうと、密度は「単位当たりの量」、質量パーセント濃度は「割合」です。
どちらも小学校5年生で習うのですが、中1の時点で十分に理解している生徒はほぼいません。
理由は一言で言えば難しいからです。問題に応じて割ったり掛けたり、文章をきちんと解読した上でどう計算するか決めないといけないですから、ハードルは高い。
ただ、どちらも人類の思考上、非常に重要な考え方ですよね。
会社でも商店でも、会議と呼べるような話し合いがあれば「一人当たり」とか「~%」とか、普通に使われるはずです。
大人としては分かっていた方がいいわけで、それをこの単元を通して、中学校卒業までに身に付けてもらおう、という親心でしょうか。
まあ、この「単位当たりの量」、「割合」そのものの解説は別の機会に回すことにしましょう。
現実問題としてこの二つの計算問題が不得意な場合、どのような対処法があるでしょうか?
まず思いつくのは、いわゆる「はじきダイアグラム」―――――円を上下に2等分、下半分をさらに縦に2等分して、左下に「は」、右下に「じ」、上には「き」と入れる、速さの計算で使えるやつ―――― を流用して、密度なら「みたし」(み=密度、た=体積、し=質量)、濃度なら「のえし」(の=質量パーセント濃度、え=溶液の質量、し=溶質の質量)と覚えこむこと。
これは単純な計算問題であれば十分役に立ちます。
ただ、少し複雑な、例えば2種類の食塩水を混ぜるとか、そういう問題には立ち向かえないかもしれません。
次の策としては、よくある問題のパターン全てをひたすら繰り返して解き方を丸暗記する、というやり方。
多くの学習塾でとっている戦略がこれです。
どうしても理解できないけど、なんとか点を取らないといけない、という生徒にはこうするほかないでしょう。
ただ、問題のパターンといっても結構あるし、問題の本質を理解できないまま手順を暗記する、というのは非常に苦しいことではあります。
それに、この後の理科で、密度も濃度も、似た量が沢山出てきます。
単位当たりの量、割合を十分に理解できている場合、それぞれ特別に新しいことは何もない、といっていい。
でもこの手の丸暗記で乗り越えている場合、圧力や湿度に出会ったときにも、また新しい計算か・・・という気分で暗記と繰り返し練習に臨むことになります。
以上の二つの方法が、学力の向上という目的に対して本質的でないことは明らかではあります。
もし食塩水を混ぜるような問題でもきちんと解きたいなら、やはりそもそもの濃度の定義を理解するところから頑張りましょう。
その上で
・混ぜたあと、全体が何gになるのか
これは混ぜる二つの食塩水の質量を足すだけでいいです。
・食塩は何g溶けているのか
こういったことを考えて、あとは割合です。
残念ながら、このあとは割合、の段階でいやな気分になっちゃいますね。
結果として、濃度はわからん、となって問題に取り組むこと自体を放棄する。
これがほぼ8割の中1にあてはまります。
実際のところ、中3でも濃度の問題の正答率は10%以下だったりしますから、8割というのも少ないのかもしれません。
とにかく、割合を本当の意味で理解する以外、本当の意味で濃度を理解したとは言えません。
密度についても同じく、単位当たりの量を正しく理解していない限り、できるようにはならない。
結果として、算数です。小学5・6年生の文章問題、これがきちんとできること。
それが中学の理科、特に計算問題を楽にクリアするための最良の方法です。